Mirrativ Tech Blog

株式会社ミラティブの開発者(バックエンド,iOS,Android,Unity,機械学習,インフラ, etc.)によるブログです

日本最大級のプロダクトマネージャーコミュニティのオフ会#16 に潜入レポ

はじめまして。 ミラティブの坂本としふみです。

先日、日本最大級のプロダクトマネージャーコミュニティである pmjp のオフ会に行ってきました。 今回のブログではそのレポをお送りします。

pmjpとは

いきなり 公式サイト からの引用なのですが、pmjpとは下記のようなコミュニティです。

Product Managers Japan (PMJP)は、主にWeb業界のプロダクトマネジメント・オーナーシップに興味を持つ人々が集まるコミュニティです。現職のプロダクトマネジャーはもとより、エンジニア・デザイナー・プランナーなどなど、様々なバックグラウンドを持つ人々が集っています。

プロダクトマネージャーという言葉が定着するはるか前である、2015年ごろから始まっているコミュニティです。いまでこそプロダクトマネージャーのコミュニティはいくつか存在しますが、その先駆けとなったコミュニティです。年に数回オフ会が開かれており、プロダクトマネージャーやプロダクトマネージャーに興味がある人があつまり、それぞれのノウハウや悩みをシェアしています。

今日のブログは、2019/06/18(火)に行われたオフ会#16のレポートです。

オフ会レポ

オフ会の概要

今回のオフ会会場は、株式会社ジーニーさんでした。新宿のきれいなオフィスで、到着したらまず夜景が綺麗でした。まずは主催者である ninjinkun の挨拶から始まります。

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会場のジーニー社

その後、発表が2つ、LTが3つ、そして懇親会と続きます。

発表

※資料が公開され次第、資料を追記していきます。2019/06/25時点で公開されている発表は資料へのリンクを貼っております。

「よいプロダクトをつくるためのよいチームのつくられかた」

ヌーラボ小久保さん(@yusuke_kokubo)の発表です。

タックマンモデルを使用しながら、良いチームへの変遷をナマナマしく語っていただきました。 ヌーラボ社の主力製品の一つであるBacklogに、新しい機能を実装したチームを実例にして、 得られた教訓を共有頂けました。

小久保さんより資料が公開されているので詳しくは資料を御覧ください。

speakerdeck.com

会場からの質問

トピックがチーム作りということもあり、会場からはチーム作りに関する質問がでました。

  • 1on1や振り返りで本音出せますか?個人的には、飲み会とかに頼ってしまいがちだが、1on1において工夫していることはありますか?
    • 現在は本音が出せるようになっている。秘訣は、いきなりオープンに話そうぜ!という雰囲気ではなく、まずは自分自身をオープンにすることが重要。プロダクトの熱意や個人的な事もまずは自分からオープンにしていく。
  • チームがリモートだと思うが、そこにテクニックはあるのか?
    • 本プロジェクトは全員福岡に固まっていたので該当しなかった。リモートはリモートならではチーム作りはあるとおもう。

LeSSのすすめ

Repro株式会社執行役員 林さん

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Repro株式会社執行役員 林さん
次は、Reproの林さんより、LeSSを導入した経緯とその効果についての発表がありました。 LeSSというのは、ファイルの中身を見るコマンド.... ではなく、Large-Scale Scrumの略称です。

Reproの開発にLarge-Scale Scrumを導入したらうまくいったという話をしていただきました。 (※Repro: アプリやWEBに簡単に導入できる分析・マーケティングツール)

資料が公開されていないので、発表の内容を完結にまとめておきます。

Reproはご存知の方も多いプロダクトだと思いますが、非常に多機能で大きなプロダクトとなってきています。2018年にはアプリではなくWEBにも対応したことで、より巨大なプロダクトになってきています。そのような背景もあり、

  • 開発速度の低下
  • PMやQAがプロセス上のボトルネックになった
  • 知識が属人化した

ことが起こっていました。そこで、開発プロセスを見直し、LeSSを導入したら(最初は大変だったが)概ねうまくいったというお話でした。

ということで、林さんの言葉もお借りしながら、LeSSについてまとめておきます。 LeSSは https://less.works/ にそのプロセスがまとめられています。

私が感じたLeSSの特徴をひとつかいておきます。(全部書くとそれだけでブログがおわってしまう...) それは、LeSSは、コンポーネントチームではなく、フィーチャーチームで構成され、バックログは全チームで共通ということです。

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Lessのフィーチャーチームのイメージ

https://less.works/less/structure/feature-teams.html から引用

上記の右のようなチームがフィーチャーチームです。例えば、フリマアプリであれば、出品チーム・落札チームみたいな分け方だったり、サーバーサイド・クライアントみたいな分け方だったりをせず、チーム1,2,3.... のような分け方で、それぞれのチームがそのチームのみで価値の出荷が可能なチームの作り方です。

たしかにこのような仕組みにしておくと、大きなプロダクトでは非常に理になかっていると思いました。コンポーネントチーム制(左)だと、チームの負荷を均一にするには、バックログもコンポーネントA,B,C均等にしておく必要があります。大規模なプロダクトになればなるほど、そんな理想的な状態は実現が難しいだろうなぁと思いつつ聞いていていました。(大規模なプロダクトで左を採用すると、リファクタリングまできれいにできているコンポーネントとそうでないコンポーネントができたりしますね...経験談)

Reproさんと状況が似ている方、是非試してみてはいかがでしょうか?ミラティブ社でも、エンジニアが増えてきたら(末尾で募集してますよ!)、チーム開発の体制やプロセスについて大きく考える時期が来るかもしれません。その日に向けて良いインプットとなりました。

LT

「PM部立ち上げから見る、組織化のメリットと育成論」

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株式会社ジーニー 大橋さん
株式会社ジーニー 大橋弘崇さん

大橋さんからは、先程のReproさんの事例とは逆の状況で、「プロダクトの数が増えてきたのでPM部を作った」というLTをいただきました。

2019年4月にプロダクトマネジメント部を発足させ、現在は10名のプロダクトマネージャーが在籍しているとのことです。部として気をつけて運営していることとしては

  • PMとしての基礎レベルの向上
  • 知見の共有
  • 目線を上げる取り組み

を意識してやれらているとのことでした。

チーム化した結果、メリットは様々あるが目線を上げる取り組みが組織的にできたことが非常に良かったと言われていたのが印象的でした。また、プロダクトマネージャーのスキルはあとから付けれるものが多いが、プロダクトに向き合っていくスタンス自体はあとから身につくものではない。そこのスタンスが高いメンバーをPMチームに入れるというお話をされていました。

「サークルスクエア 〜資金を調達せず、プロダクトを育て続けた18年の記録」

いとうまさし(@itmsc)さん すみません、お話を聞くのに夢中で写真をとり忘れてしまい;;🙇‍♀️

www.slideshare.net

※本稿執筆後に資料が公開されていましたので資料をアップしました。

サークルスクエアは、18年の歴史があるグループウェアです。どんな思いをもって続けてきたか、という話をしていただきました。 www.c-sqr.net

その中で印象的だったお話が、プロダクトを100年続けていきたいという話でした。そのために3つの戦略を採用されているということです。かなり具体的な戦略の話だったので、キーワードだけ記載しておきます。

  • ブートストラップ作戦。資金を調達しない
  • ギャラクシー作戦
  • ラストマン・スタンディング作戦

また、新機能がでるとのことで、その告知もされていました🍦

Happy Ice Cream officeとは

ユーザーストーリーと効果的な開発、そのKPIは対話だよって話

株式会社 Fabric Tokyo 渡辺さん

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Fabric Tokyo 渡辺さん

ユーザーストーリーをどう使うかという実践例の話をされていました。ユーザーストーリーは「つくりましょう!」「うまくいった!」という話が多いのですが、渡辺さんの発表はユーザーストーリーを細かく書いたがうまく行かなかったという実践例で、大変勉強になりました。

もう少し具体的にいうと、ユーザーストーリー(やワイヤーフレームを)PMが書きすぎて、チームのクリエイティビティが損なわれてしまった。という実体験から、より抽象度の高い「課題設定」だけをPMが行い、チームと一緒に作るものを考えるというスタイルに変更されたとの話でした。そのスタイルにするとより課題解決がうまく進んだとのことです。

つまり、開発チームとの会話を増やしたことで、課題解決の質が上がった。つまり、開発のKPIは「対話」というまとめでした。

2019/06/26 15:47追記:渡辺さんから資料が公開されましたので掲載いたしました

speakerdeck.com

懇親会

懇親会では、登壇された方とお話したり、さまざまな会社のプロダクトマネージャーと交流することができます。

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懇親会
pmjpのオフ会は16回めということで、食事の量もドリンクの量もちょうどいいです。一人何本アルコールを開けるかというビール係数、アルコールとノンアルの割合を決めるノンアルレシオというものがあり、コミュニティ内でだいたい値のあたりが付いているという話を昔聞いたことがあります。

まとめ

いろんなフェーズの会社の色んな話を聞くことができ、大変勉強になりました。 プロダクトマネジメントの方法やミッションはそれぞれの会社で違うものの、抽象化して学べるところはたくさんあるなぁと改めて感じました。 私がいまミラティブで経験していることもプロダクトマネージャー界隈の微々たる力になればなぁと思いますので、機会があれば登壇しようかなと思っています。(次の次くらいを狙っています笑)

現役のプロダクトマネージャーの方も、プロダクトマネジメントに興味があるという人も大変勉強になる回なので一度参加されてみてはどうでしょうか。

pmjpのコミュニティには下記から参加できます。オフ会の連絡などもこちらで行われています。

Product Managers Japan (PMJP)

ミラティブはさまざまな職種のメンバーを募集しています

というわけで、オフ会(勉強会)のレポをお送りしましたが、ミラティブでは「勉強会補助制度」と「デクレア制度」というのがあります。

勉強会補助制度というのは、その名の通り勉強会の補助制度です。下記のルールで運用されています。

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勉強会補助制度
また、技術書は基本経費で購入できますので、今回のオフ会ででてきたLeSSに関する本なども購入OKです。

また、デクレア制度というのは、自分の働き方をデクレア(宣言)する!というものです。勉強会に行くから早く帰るといったものから、集中的に新しいスキルをつけたいので今週は残業なしにしたいです。といった使い方です。プロ野球選手が、チームが試合で勝ち続けるために、自分のコンディションにあわせて負荷を調整するのに似ています。 デクレアについて詳しくは👇 note.mu

ミラティブではさまざまな職種のメンバーを募集しています。

全職種の応募はこちら👇 www.mirrativ.co.jp

ちなみに、私がPMをしているプロダクト(今後リリース予定)で、iOSエンジニアを募集しています!👇 www.wantedly.com